最近ニュースなどで熊に襲われたという話をよく聞くようになりました。
万が一、登山・山登りで熊に合わないようにようにするための対策・対処法をご紹介していきます。
目次
日本に生息する熊とは
日本に生息している熊は2種類で、北海道に生息するヒグマと、本州以南に生息するツキノワグマになります。
それぞれの熊の特徴などをご紹介します。
ツキノワグマ
ツキノワグマの最大の特徴は胸についてる三日月型の模様です。
たまに、三日月模様のない、個体も現れるそうですが、その場合には体毛の色で識別しています。
体長120~180センチメートルと、ほぼ人間と同じ大きさです。
体重もオス50~120キログラム、メス40~70キログラムと、これまた人間と同じ重さです。
雑食性で肉食のイメージが強いですが、肉はあまり食べることはなく、主にドングリなどの堅果類やヤマブドウなどの果実を食べます。
生息地
生息地は日本の場合だと本州と四国です。
広葉樹林が生い茂った山の中に住んでいます。
行動範囲
行動範囲はおよそ100平方キロメートルで、メスが40平方キロメートルだと言われています。
特に食料が不足する時は行動範囲を広める傾向にあります。
その時々で利用できる食物を求めて動き回ります。
行動範囲は、時期によってかなり異なり寒い時期には多くの食物を探すため、行動範囲も広くなっています。
夜行性です。
ヒグマ
ヒグマの特徴は、筋肉質の肩のこぶと、穴を掘るのに役立つ長い爪を持っています。
嗅覚が最も優れており、3キロ以上離れた所の匂いを嗅ぎ取ることもできます。
体長250~300センチメートル、体重は250~500キログラムと、ツキノワグマの2倍の大きさです。
がっしりとした頑丈な体格で、熊の中では最大です。
雑食性で割合的には木の実や草木を食べる事が多いですが、動物性の餌(哺乳類、鳥類、昆虫)も食べます。
特にアリやハチが大好物で、積極的に巣を探します。
生息地
針葉樹林を中心とした森林地帯を好みますが、原野も好みます。
日本では北海道のみに生息します。
行動範囲
近年問題になっているのが、人間と熊の生活圏が重なってきていることです。
餌を求めて、人里に近づいていきますし、人を避けて日中も行動しています。
学習能力が高く、人の出す生ゴミなどの味覚えると繰り返し出没し、鹿など一度で食べきれない場合は、土をかけて自分のものとして占領します。
また子熊連れの場合はより狂暴なので要注意です。
登山中に熊に遭遇しないための対策
出没する場所を避ける
登山中に熊に遭遇しないための方法は、第一に熊の出没する場所を極力避けることです。
熊はかなり臆病で神経質な動物で、積極的に人を襲うことはありません。
むしろ人を避ける傾向にあります。
なので獣道を避け、なるべく多くの人が頻繁に利用する登山道を使うことで遭遇の機会は大きく減ります。
人間の匂いがついた登山道は、完全ではありませんが、熊も近づかない可能性が高いでしょう。
ニュースなどで熊に遭遇したケースは、山菜採りなどで山中深くに入っていった場合が多いように思います。
自分の存在を気付かせる
熊は、基本的に人間がいるとわかっていながら近づいてくることはしません。
人間の存在をあらかじめ知らせることで鉢合わせを防ぐことができるので、登山中は大きな音を立てる等して意図的にこちらの所在を示すのが良いでしょう。
仲間と話しをしながら登山したり、もし単独の場合は熊除けの鈴を装着することで熊との遭遇機会を劇的に減らすことができます。
ラジオや音楽を流しながらの登山は自身の注意力を削ぎ、身の回りの警戒を怠る結果になることもあるので、注意が必要です。
心配な人は、金属制の杖を携帯し、熊撃退スプレーを用意して万が一に備える方がベターです。
登山中に熊に遭遇したら、その対処法
慌てない
登山中に熊に遭遇した場合の対処法は、まず慌てないことです。
慌ててパニックになっていきなり後ろを向いて逃げ出してはいけません。
熊は逃げるものは追いかける性質があるので、いきなり逃げ出すと追いかけられて襲われる可能性が高くなります。
追いかけられて手足の鋭い爪で背中を引っ掻かれ倒され、鋭いキバで噛まれたら一貫の終わりです。
熊が走るスピードというのは人間よりも遥かに速いですから、走って逃げてもすぐに追いつかれてしまいます。
少しずつ距離を取る
まず慌てないで正面を向いたまま、少しずつ後ずさりして熊との距離をあけていきます。
目を合わせてそらさないのがポイントです。
熊もついてくるかもしれませんが、どこまでも慌てずに後ずさりします。
そうして距離がかなりあいて熊がもう追ってこないことが確認できたら、さっさと下山しましょう。
10m以内の近距離の場合は、まずは普通に話しかけ、立ち去らなければ大声を上げて威嚇し熊が立ち去るのを待ちます。
通報する
他の登山者への安全も考慮して警察などへ通報しておくことも大切です。
襲われた場合
万が一、登山中に熊と遭遇していきなり襲いかかってきた場合は、首の後ろを両手で覆い、うつ伏せになって身を守るのがいいとされます。
首を覆うのは致命傷を防ぐためです。
また、熊は本来臆病な生き物なので、敵に一撃を与えると、その後すぐに逃げていくのが普通です。
ですから最初の一撃をしのげばなんとか助かる可能性が高いです。
そういうわけで首を覆い最初の一撃をしのぐのがよいとされているのです。
ちなみに死んだふりは効果がないのでやってはいけません。