お彼岸の時期に咲く赤くてちょっと不思議な花である彼岸花(ヒガンバナ)。
そんな彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉や由来、開花時期、名所などをご紹介していきたいと思います。
目次
彼岸花とは
彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、放射状に開いた赤い花びらが非常に印象的な美しい花です。
ヒガンバナ属は、変種も含め約30種の集まりからなり、中国、台湾、朝鮮半 島、日本(除:青森県以北)に分布し、自生南限はビルマです。
花の色は主に朱色がかった赤色ですが、稀に白や黄色のものもあります。
開花時期は、9月中旬から下旬にかけてで赤い花を咲かせます。
花が咲いた後に葉っぱが伸び、秋に咲き春に枯れるという通常の植物とは真逆の生態を持つ珍しい植物です。
日本には、彼岸花の他に、キツネノカミソリ と云う早咲きのオレンジ色の仲間が自生しています。
また、九州南部にはショウキランと呼ばれる、遅咲きの黄色の仲間が見られます。
日本では古くから「死」を連想させるイメージがあるためか、市場での流通量は多くないといわれていますが、欧米では園芸品種として開発されています。
彼岸花の花言葉
花言葉は各色によって違います。
彼岸花の花言葉には情熱的な言葉がある反面、どこかさみしげな一面を伺うことができます。
彼岸花の別名
「リコリス」「曼珠沙華」「狐花」など、日本だけで方言も含めると1000以上の別名があるといわれています。
また、この彼岸花は、「葉見ず花見ず」という別名も持っています。
これは、「花と葉が同時に出ない」という、この花の大きな特徴によるものとなっています。
彼岸花の由来
彼岸花の名前の由来は、秋のお彼岸の時期(9月の中旬~下旬)に咲くことから、その名をつけられたとされています。
そしてもう一つの由来として、彼岸花の球根が持っている毒が関係しています。
彼岸花の球根は薬や救荒食にもなるのですが、しっかりと毒を抜かないと、食べたあとには「彼岸(死)しかない」ということから、彼岸花と呼ばれているという説もあります。
「彼岸=死後の世界」と言う意味から俗名に、幽霊花、死人花、地獄花、とも呼ばれ墓地でもよく見かけます。
彼岸花の品種
現在、彼岸花の品種は数百あるといわれており、園芸用の品種では、白や黄色の花びらを持つものも存在しています。
彼岸花の英語
英語では「Red Spider Lily:レッドスパイダーリリー:赤い蜘蛛のユリ」や「Hurricane Lily:ハリケーンリリー:台風のユリ」などと呼ばれ、そのミステリアスな美しさから観賞用としてとても人気があります。
彼岸花の毒
全草有毒であり、アルカロイド系の成分(リコリン、ガランタミン、セキサニン、ホモリコリン等)を茎に多く含みます。
田畑や道に沿ってよく見かけるのは、この毒性によって害虫等を寄せ付けない為に意図的に植えられたものと考えられます。
また、毒があることや、その見た目からか、彼岸花にちなんだ迷信も多数存在します。
しかし、薬として有効な成分も含まれており、古くは救荒作物としても植えられているなど、日本人の生活に、昔から密着した花となっています。