毎年5月から6月にかけての初夏の時期になると、公園の菖蒲池などで菖蒲やアヤメが美しい花を咲かせる姿を目にすることがあります。
ちなみに鑑賞用として栽培されていて花を咲かせるショウブは正しくは花菖蒲と呼び、菖蒲とは別物です。
ショウブ・アヤメ・カキツバタはいずれもアヤメ科アヤメ属の植物で、よく似ています。
アヤメを漢字で書くと「菖蒲」になるので、統一の種類だと思っている方もおられるかもしれません。
実はこの3種類の植物にはそれぞれ違う特徴があり、別の種類の植物です。
ショウブ・アヤメ・カキツバタの特徴と、それぞれの見分け方についてご紹介していきます。
目次
菖蒲の特徴
花菖蒲(ショウブ)の花は大輪で、紫以外にも白や黄色などの花を咲かせます。
いずれも花弁の根元の部分に黄色くて丸い斑点のような模様が付いているという特徴があります。花菖蒲の背丈は80cm~100cmです。
ショウブは水気の多い畑地でも栽培が可能ですが、一般的に菖蒲池で栽培されていることが多いです。
そのため、公園の池で咲いているものはほとんどがショウブです。
湿地帯または畑地に生えていて、背丈が1m近くになること、花弁の根元に黄色い斑点が付いていればショウブです。
アヤメの特徴
アヤメは畑地で紫色の花を咲かせ、湿地帯では生えません。
ショウブも畑地でも栽培が可能ですが、池などで人工的に栽培される場合が多いです。
これに対してアヤメは乾いた畑地などで野生に生えている場合がほとんどです。
公園などの池で観賞用に栽培されることが多いショウブに対して、アヤメは野生で自生している場合が多いです。
アヤメの特徴ですが、花は小輪で、花弁の根元の部分に網目状の模様があります。
アヤメは背丈が低く、30cm~60cm程度です。
花期は、5月。
カキツバタの特徴
カキツバタは水辺などの湿地帯で花を咲かせ、畑地には生えていません。
必ず池などの水辺に生えています。
そのため、水辺で花を咲かせていたらカキツバタかショウブのどちらかです。
一見するとショウブとよく似ていますが、カキツバタの花は中輪で花の根元に白い斑点模様があるという特徴があります。
全体の背丈は50cm~70cmで、ショウブよりも低いです。
花の色は紫系統が多く、花弁の模様はショウブのように多くの種類はありません。
花期は、5~6月。
菖蒲・アヤメ・カキツバタの違いと見分け方
ショウブ(花菖蒲)・アヤメ・カキツバタを見分ける簡単な方法は、花の模様を見ることです。
花びらの根元に黄色い斑点が付いていればショウブ、白い斑点が付いていたらカキツバタ、網目状の模様があればアヤメです。
花を咲かせていない場合には、生えている場所と大きさで見分けることができます。畑地で生えていたらアヤメかショウブのどちらかです。
アヤメは最大でも60cm程度と小さく、ショウブは1m近くになるので、背丈の違いで見分けることができます。
池などの水辺で生えていたらショウブかカキツバタのいずれかで、背丈が大きい方がショウブです。
花期は、5月、10月。