古くから日本人に親しまれてきた椿ですが、「椿」「寒椿」「夏椿」の違いをご存知でしょうか。
開花時期や特徴などをご紹介していきます。
目次
椿・寒椿・夏椿の違いとは
椿には、大きく分けて3種類があることをご存じでしょうか?
椿・寒椿・夏椿と同じツバキ科の植物なのですが、厳密には少し違う種で開花時期や花の形、散り方も違います。
園芸種が増え交雑が進んだ最近は、専門家でも見分けるのが難しいようですが、それぞれ異なります。
椿
まず椿ですが、学名はCamellia japonica(ツバキ科ツバキ属)と言います。
開花時期は2~4月(原種)、花の色は紅、香りは弱く、落花時は根元から落ちるのが特徴です。
昔の掛け軸に描かれたような古風な花の形に特徴があります。
おしべは筒状で香りはあまりなく、葉を日光で透かすと葉脈は白く見え、縁にギザギザはありません。
花色は赤のみで、花は平開きせず散る時は根元から全部落ちます。
そのため昔は武家には、縁起が悪いと嫌われていました。
寒椿
寒椿は、学名はCamellia sasanqua(ツバキ科ツバキ属)と言います。
開花時期は、10月から2月椿より早く寒さを感じる時期に開花します。
常葉中低木で椿と山茶花での交配が進んでおり、山茶花との違いを見つけるが難しくなりつつあります。
葉を日光で透かすと葉脈は黒く見え、縁にギザギザがあります。
花の色は赤だけでなく白、ピンク、紫とあり、花は全開の平開きして、花弁とおしべはバラバラに散ります。
おしべは筒状にならず、香りが強くあります。
夏椿
夏椿は、学名はStewartiapseudocamellia(ツバキ科ナツツバキ属)と言います。
開花時期は、梅雨の6月~7月です。
落葉高木で、葉は低い鋸状になっており、花の色は白く縁に細かいギザギザがあり、花は朝から夕方まで咲いた後、1日で落花し、根元から落ちる1日花です。
椿科の植物ですが、常緑樹の椿と違って落葉します。
別名は沙羅樹(シャラノキ)で、本来別の種ですが、お寺の敷地内に沙羅双樹(サラソウジュ)として植えられていることが多いそうです。
また、木の幹がつるつるしているので、サルスベリと呼ばれている地域もあります。
なんとなく目にしていた椿や寒椿、夏椿でも、花が咲く時期や色、散り方、木の高さなど、それぞれに特徴があり、改めてじっくり観察してみると風情があって面白い物です。