春にピンク滝のような美しい景色を見せてくれるしだれ桜は、多くの日本人に愛されています。
今回は、枝垂れ桜とは何かをより深く、花言葉や由来、見頃の時期や種類、育て方などをご紹介していきます。
目次
しだれ桜とは
枝垂れ桜は、バラ科サクラ属に分類される植物で、エドヒガンの枝垂れ品種のことです。
見た目の特徴として、枝が柳のように上から下に向かって垂れ下がって生えているのが特徴です。
主にエドヒガンの変種で構成され、さまざまな品種があります。
桜の中でも主流のソメイヨシノより、一週間ほど早く花期を迎えて、ピンク・赤・白の花を枝にたくさん付けます。
古くから日本人に親しまれてきた品種であり、寿命が長いベニシダレザクラは日本三大桜の一つに数えられています。
近畿地方は京都府の府花にも指定されています。
しだれ桜の花言葉と由来
枝垂れ桜の花言葉は「優美」、「ごまかし」です。優美という花言葉がつけられた由来は、華やかな見た目・花姿にちなんでいます。
もうひとつの言葉であるごまかしは、柳のように長く垂れ下がる姿が何かを隠しているかのように見えるからとされています。
ちなみに、糸を垂らしたような花姿から「イトザクラ」という別名もあります。
また、桜自体の花言葉には「精神の美」や「優美な女性」があります。
精神の美に関してはアメリカの初代大統領ジョージワシントンが、桜の木を切ったことを正直に謝った逸話から来ています。
しだれ桜の見頃・どんな花を咲かせるのか
枝垂れ桜は、3月下旬から開花を始めて4月上旬に見頃を迎えます。
北海道をのぞく、本州から九州までの全域に分布しており、南の方から桜前線が上昇していきます。
花の特徴としては小輪の一重咲きであり、花の色は白か淡い紅色のものを咲かせます。
花が終わった後は水分を多量に含み種を1つ内包する「核果」と呼ばれる実を実らせます。
その後、4月下旬から5月上旬にかけて楕円形の葉が互い違いに生えはじめ(この形式を互生と呼ばれます)、新緑が木を覆います。
しだれ桜の種類・品種
4月中旬にピンク色の小さな花を咲かせる品種に「八重紅枝垂」があります。
樹高は約5mほどの高さにまで生長します。
明治期の仙台市市長・遠藤康冶氏が本種を普及させるために奔走したことから、遠藤桜や仙台八重枝垂、仙台小桜などの名称でも親しまれています。
冬桜の品種であり、4月中旬に真っ白な花をつける「清澄枝垂」も枝垂れ桜の一種です。
名前の由来は、千葉県鴨川市の清澄寺にて栽培されていたことから来ています。
エドヒガンの変種として知られる「紅枝垂」も枝垂れ桜の品種のひとつです。
3月下旬に、小さな紅色の一重咲きの花を咲かせます。
しだれ桜の育て方
日当たりが悪いと花付きが悪くなるため、風通し・日当たりともに良い場所に植えるのが条件です。
また、2年目以降は、生長して垂れた枝が地面に付くといたんでしまうため、紐で引っ張って支えます。
植え付けに最適な時期は、11月から12月上旬にかけてか2月下旬から3月にかけての時期で、真冬を避けるのが賢明です。
鉢植えの場合、鉢は生長することを見越して30cmほどの深さがあるものを選びます。
地植えは、日当たりの他に水はけの良い場所を選びましょう。
雨が続いて水はけが悪い時は、植え付ける一週間前によく地面を耕しておきます。
風で苗が倒れないよう支柱で支えます。