山の天候は変わりやすいというのはよく知られた話で、晴れていても、急に嵐になることは珍しくありません。
そんなときのために落雷の対策と対処法についてご紹介していきたいと思います。
目次
雷が落ちやすい場所は?もっとも安全な場所は?
天候の急変は、登山中であれば注意しなければいけません。
特に雷が発生し始めた時には、どこかに避難することを考えるべきです。
とはいえ、山の上では建物はほとんどありませんから、どこに避難すればよいのか迷います。
では、登山中の落雷対策としてどこに雷が落ちやすいのか、どこに避難をすればよいのかを考えると、まず背の高い物体に雷は落ちやすいので木の真下に避難することは避けましょう。
木の先端から4メートル以上離れ、木の先端から地面まで45度以上の場所が保護範囲と呼ばれ、雷の被害を比較的抑えることが出来ます。
ただし、木の高さが5メートル以下だとこの保護範囲は効果がないので、とにかく木から離れることです。高さがない岩もまた同様です。
山の中には、鉄塔、送電線がよくありますが、雷が落ちやすいので近くによるべきはありません。
一番雷に対して安全なのは、洞窟の奥や突き出した岩の影です。
ただし洞窟の奥は空気の流れがないので酸欠になることもありますから、その点は注意が必要です。
山小屋があるならば、避雷針など雷対策は施されているはずなので、逃げ込みましょう。
コンクリート造りであればなおさら安全です。
まだ車のそばにいるのであれば、車の中は安全なので雷が収まるまで中で待機しておきましょう。
登山中に落雷を受けてしまったときの対処法
四季折々の自然に親しみその変化を楽しむことが醍醐味の登山ですから、気候変動のリスクは免れません。
どの季節でも向き合う危険性があるのが雷です。
積乱雲の発生が原因になる場合もありますし、冷たい空気がもとで上空が不安定になり雷が発生する場合もあるのです。
登山中にもし落雷を受けてしまった場合、体の中を電気が通過するため呼吸が止まったり、心臓が止まることが考えられます。
周りにいる人は直ちに意識を確認し、呼吸や心拍を確認してください。
雷が直撃し意識がない場合はすぐに人工呼吸の処置を施し、助けが来るまで体を右が下になるように寝かせてあげましょう。
意識があっても電流が走った場所がやけどを負っている場合も考えられます。
冷やしガーゼや包帯などで処置し清潔に保ちましょう。
体内の見えない場所にやけどを負っている場合も考えられますので、意識があってもすぐに下山して医療機関の診察を受けてください。
雷は自然災害と思われがちですが、最近では落雷被害は人災とも言われており、事前の準備が不可欠とされています。
出発前の気象状況を入念にチェックし、無理のない工程で登山の計画を立てることで落雷の被害を回避する事が出来るのではないでしょうか。