菊(キク)は、日本では皇室の紋章であったり、パスポートの紋章として使用されていたりと、日本の象徴のような存在の花です。
そんな菊の花言葉・由来・開花時期、葬式の祭壇などに使われる花(仏花)になった理由などをご紹介していきます。
目次
菊(キク)とは
菊は日本の代表的な花の1つで、古来中国から伝わったと言われており、観賞用多年植物として多くの品種が改良されています。
特に日本で改良された菊を「和菊」と区別している特徴があり、菊の大きさにより大菊、中菊、小菊と3つに分類されています。
色味は白と黄色、赤の3色があり色味に合わせて花言葉が異なることから、菊の花の色にまつわる意味に合わせて仏花や献花として日本で長く愛されてきている日本を象徴とする花となっています。
菊(キク)の花言葉
菊全般の花言葉とは「高貴」、「高潔」、「高尚」となっており、皇室の紋に定められていることに由来していることから主に品位や品格の象徴の花として日本で愛されています。
また菊には色によって異なる花言葉があり、まず白は「わずかな愛」、「破れた恋」、「長寿」と「幸福」となっており、黄色は「真実」と「誠実」、赤は「あなたを愛しています」「豊かな愛情」という意味があります。
キリスト教を信仰している地域では、黄色が裏切り者のユダを連想することから好ましい色ではないとイメージされがちですが、日本では明るい色として好まれている違いがあります。
菊(キク)の由来
菊(キク)は、奈良時代末か平安時代初めに中国から日本に伝えられたとされていますが、はっきりとした由来は不明です。
名前の由来は、中国から渡来したときに「菊」を発音「kuk(クク)」と呼ばれていて、そこから日本語になったときに「キク」と呼ぶようになったとか、または、「窮まる(きわまる)」を語源として、一年の最後に咲く花という意味だともいわれています。
菊(キク)の見頃・どんな花を咲かすか
菊の見頃は主に秋から冬の季節に多いといわれていますが、近年になって様々な改良品種が開発されていることから1年を通して何かしらの菊の花を鑑賞することが可能になっています。
そのため咲く時期によって、夏菊、秋菊、寒菊などに分けられています。
菊の花の特徴として葉っぱは楕円形となっており、特徴として波状やギザギザに切れ込みが入っています。
菊の花びらの形状は一重もしくは八重で花びらの形状によって見た目がグッと違って見えるのが大きな魅力です。
サイズは小菊、中菊、大菊の3タイプがあります。
菊(キク)の種類・品種
元々菊は中国原産の種類が多く、約2000年以上前から薬用や食用として栽培されてきた歴史があります。
日本へは8、9世紀頃の平安時代に入ってきてからは、食用ではなく主に観賞用として栽培されるようになり現在に至ります。
日本では江戸時代に改良品種が多く作られた事により、日本で作られた品種は『和菊』と呼ばれ、主に古典菊と呼ばれる種類には江戸菊、嵯峨菊、美濃菊などがあります。
日本から欧米に普及してからは、欧米圏で独自に発展した品種を『洋菊』として区別されている特徴があります。
品種としてはスプレーマムが一般的です。
菊(キク)の育て方
菊を育てる上でとても重要になってくるのが、日照時間が9~15時間ほどある場所に植えることです。
菊は日光を好む植物なので自宅で育てる場合には日当たりの良い場所に植えることが大切となります。
菊の苗は、鉢植えか地植えどちらでも受けることが出来ますが、地植えの場合日当たりと水はけの良い場所に植えると6~7月中旬頃までに植え付けた場合、秋頃に綺麗な花を見ることが出来ます。
菊は多年草という特徴がありますが、繰り返し何度も育てていると、病気や害虫の被害を受けやすくなる恐れがあるため、1年を目安に挿し木で株を増やしつつ他の場所に移動させることも大切です。
菊が葬式に使われる花(仏花)になった理由
菊がお葬式などに使われる仏花になったのは、戦後だといわれています。
秋にしか咲かなかった菊が、戦後は一年を通して栽培されるようになり、さらに花の日持ちがよいために選ばれたといわれています。
切り花にして水につけておくだけでも2~3週間以上花が持ちます。
また、一説にはお墓に菊を飾るのは戦後に西洋から持ち込まれた風習だという説もあります。